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People & Culture 31 Mar, 2021 コロナ禍で改めて価値を見直される「Web社内報」

#Web社内報#コミュニケーションTech

新型コロナウイルスの影響によってリモートワークが中心になるなど働き方が大きく見直され、業務のDXを本格的に検討する企業が増えています。

glassyでは、そのニーズの高まりに応える形でインナーブランディングツールのひとつとして、Web社内報パッケージの開発を継続的に進めています。 Web社内報にはどんな役割が求められているのか、その背景や解決すべき課題など、システム開発を担当する社長室・石井と小島に話を聞きました。

【Profile】
石井(写真左):大学卒業後、小売業の販促部門に従事。その後、製版会社のデジタル部門でCD-ROMやWEBなどデジタルコンテンツの制作に携わる。2018年6月グループ会社からの転籍にて入社。

小島(写真右):大学卒業後、広告代理店、IRコンサルティング会社などで企業広報物の制作ディレクターを経験し、2014年3月入社。

コロナ禍で改めて価値を見直される「Web社内報」

― glassyでのWeb社内報のパッケージ開発は、いつごろからスタートしたのですか。

石井

第1世代は3年ほど前から開発を進めて販売を行っていました。しかし、いろいろと課題もあったので、第2世代へのバージョンアップを進めています。

― そうなんですね、第1世代の課題というと?

石井

簡単にいうと、インターフェースが“作り手の都合”でできていたということです。親切設計ができていない上に、開発に時間がかかってしまって、画面のデザインも陳腐化していました。気づいたら世の中はどんどん進んでいて…そこで、第2世代へバトンをつなぐことにしました。

― Web社内報に対するニーズはどのように変化してきたのでしょうか。

小島

社内の情報をWeb社内報で共有することはかなり昔から行っていて、その歴史でいくとインターネットの普及が始まった1995年ころまでさかのぼります。
このときは情報化社会とかペーパーレス化がキーワードで、デジタルメディアで社内の情報を共有することがコスト削減につながると期待されていたんです。

メールもインターネットもない世界は、今から考えると信じられないですね。

リーマン・ショックや東日本大震災のころの、2010年前後もWeb社内報へのシフトがありました。そのときも資源やコストの削減が目的だったように思います。
その後、FacebookやTwitter、InstagramといったSNSが盛んになり、人と人のコミュニケーションにデジタルメディアが当たり前のように活用されるようになると、Web社内報の目的として、“双方向のコミュニケーション”が1つのキーワードになっていきました。

石井

社会環境の変化や危機が起きるたびに、紙メディアから「Web社内報」へのシフトは話題には持ち上がるものの、いつのまにかトーンダウンするという繰り返しだったように個人的には思います。その最大の理由は、やっぱりWeb社内報は意外に運営に手間がかかるということなのでしょうか。

小島

そうですね。私たちのような社内報の専業会社に取材や編集を外部委託される企業さまもいらっしゃいますが、Web社内報の場合、多くは社内で作業することになるので、そこで担当者は業務負荷の増加という壁に直面するんです。
ただ、石井さん、今回のコロナ禍におけるWeb社内報のニーズは、今までとちょっと性質が違うように感じませんか?

石井

それは感じます。リーマン・ショックは金融経済の問題だったし、震災も被害は甚大でしたが、世界を覆う出来事ではなかった。でも、今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、世界中のあらゆる範囲に及んでいるから影響が大きいですね。

先日打ち合わせをしたお客さまは「事務所のフロアをすべて解約して、働き方を大幅に変える」と言っていました。これまでの当たり前が変わっていく世の中において、Web化は必然になっていくのだと思います。

小島

たしかに。これまで紙の社内報を発行していた企業さまが、リモートワークが中心となり、社内報を社員に手渡すことが困難になったという話もお聞きします。
会社から伝えたい情報を伝えるため、社員同士がつながるためのツールをどこに求めるかを考えたときに、「Web社内報があった」という感じなのでしょうか。

石井

漠然と使っていた社内ツールに、明確な目的を持たせようとし始めているということですね。

小島

はい。働き方の見直しなど、本当に必要なものを見極めるプロセスの一環としてWeb社内報も浮上しているのだと思います。

石井

人の動きは間違いなく変わるでしょう。今まで何となく慣例となっていた枠組みはいったんリセットされて、会社に行く必要があるのか、会わなければできない理由があるのか。それら一つひとつ吟味するようになるんでしょうね。

シンプルな構成と良質なコンテンツで、コミュニケーションをサポート

― 開発を進める中で、重要なポイントはどんな点になりますか。

石井

最低限の要件として、そのWebページを開いたときに“違和感がない”自然なものに感じてもらうことが大事だと思っています。パッと見て「ん?」と違和感があると、なかなかアクセスされなくなってしまう。読まれやすい形はあると思うし、余計な要素を省いてシンプルで見やすいものになる仕組みをいつも考えています。そうなれば読んでもらえるし、結果的に社内で編集するのも容易になるでしょう。

小島

各企業がつくるコンテンツによって自然に色は出ますしね。IT系のベンチャー企業と歴史ある老舗企業では、内容は全然違うものになるはずという仮説です。製品パッケージが個性を主張する必要はなく、色のないキャンバスに徹することですね。

石井

でも、“シンプル”って一番難しいんですよね。それを今、実感しています。 カスタマイズも複雑になってはいけないし。

― なるほど。ところでWeb社内報にはどんなメリットがありますか。

小島

印刷物の社内報に比べて、Web社内報は情報をリアルタイムに発信できて、双方向のコミュニケーションを活性化することができます。それだけでなく、検索性が向上することも大きなメリットです。

社内報に載っている内容は会社にとって大きな財産だと思うのですが、その財産にデジタル化することでアクセスしやすくなるんです。

直近の社内報に掲載されているのは言ってみれば旬の情報ですが、何年も前の社内報からは、当時の様子を振り返ることができます。
たとえば、最新号に今年の新人社員を紹介したとして、その記事に過去何年か分の新人記事へのリンクを貼ることも可能です。入社したての社員が会社の歴史を学ぶときに瞬時に欲しい情報を引き出せたりするわけです。Web社内報が昔と今を結びつける役割を果たしてくれるんです。

― 紙の社内報と併用する会社も多いそうですね。

小島

Web社内報にはそれなりにデメリットもあるからですね。紙媒体よりも情報伝達のスピードが速く、タイムリーな情報発信や修正も簡単にできるといったメリットの反面で、社内での運用負荷が高まる可能性があります。

石井

社内のスタッフがつくる以上、予算がつきにくいことと、デザインができないことの2つのハードルが立ちはだかりますからね。だから、パッケージソフトは、誰でも入力すればそれなりの社内報ができあがる簡易さが必須の要素です。運用については、たぶん紙の社内報より大変になると思いますので。

小島

お客さまからの問い合わせでも、運用に関するご質問も多いです。紙媒体に比べると更新頻度も増えるし、誰がやるのか?どうやってスケジュールを決めていくのか?とか。
でも、根本にあるのは、コンテンツに魅力があるかどうかです。glassyではWeb社内報の運用面のサポートも行っていますので、良質なコンテンツをつくる部分で必要となる企画や編集、企業の成長フェーズや事業の特性に合わせたメッセージの構築など、ぜひ任せていただきたいですね。

自社の製品づくりに携わるという貴重な経験

― 自社製品の開発プロジェクトに関して、お2人はどんな想いがありますか。

石井

もともと私はWebディレクター的なポジションにいたので、自社製品の開発となると、アプローチ方法が今までと全く違いました。特に3年前、第1世代をつくっていたときは、一人で考えることが多かったので、途中から作り手の視点になってしまい、とにかく形にすることを優先してしまったことを反省しています。

その点、現在はチームとして上流から目的をしっかりと固めてつくっているので、ゴールのイメージに迷ったときも指針に立ち戻ることができます。
たとえ最終的な結果は同じであったとしても、そこに理由があるので自信をもって進めるし、個人としても、会社としても成長していると思います。

小島

個人的には「私がこのプロジェクトに入っていいのかな?」と思った時期もありました。元々は紙の社内報を中心とする制作ディレクターだったので、自社製品のシステム開発となると、はたして自分に何ができるのか?役に立てるだろうか?と。

ただ、プロジェクトを進めるうちに、私の役割はオンライン商談などでお話させていただくお客さまの声を、開発チームに共有し、製品の機能などに反映していくことだと気づいたんです。
今でもいろいろなことを学びつつではありますが、glassyの新たな商材づくりに携われるという貴重な経験を積ませてもらっていることに感謝しています。

石井

このプロジェクトを成功させて、次の挑戦につなげていくことが大事ですね。今後はデジタルメディアの利点をどんどん活用して、インナーブランディングを感覚でなく、データで行うという方向もあるかなと思います。

Web社内報サービスを提供することで獲得できるさまざまなデジタルデータを解析してデータドリブンなインナーブランディングサービスを提供できるようになれば、それはglassy独自の優位点ですよね。

また、私たちのサービスの軸はインナーブランディングの支援にありますが、その価値を広めていくには、ある程度、会社として大きくないと説得力がない。そのための挑戦でもあるし、そういう"挑戦"すること自体が難しい時代の中で、glassyであればチャンスはいくらでも転がっていると思います。

小島

まずは、Web社内報を私たち自身が満足のいく形に仕上げていくことですね。そして製品をお待ちいただいているお客さまのためにこれからも頑張りましょう!