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Mission & Vision 22 Jul, 2019 好奇心さえあれば、いつまでも続けられる仕事。

#AE&Director#クリエイティブ#デザイナー

デザイナーの佐藤勇樹(写真中央)と今村真美(写真右)、そしてディレクターの京谷由紀(写真左)による座談会。経験を積むことで、どう成長し、どんな発見があるのでしょうか。それがどう自分の仕事へと反映されていくのでしょうか。現時点の実感を語り合いました。

自分がどう思うかではなく、お客様がどう思うかが大切。

京谷

私、学生時代に就職活動を始めるときから、ディレクターという職種に興味があって、映像ディレクターとしてキャリアをスタートさせました。現在は分野は少し変わりましたが、自分が制作の中心になって、それこそデザイナーさんとか、フォトグラファーさんとか各分野のプロフェッショナルたちとチームを組んで、ものを作っていくという仕事に魅力とやりがいを感じています。佐藤さんは?

佐藤

僕が働き出したころってちょうど、Macの価格が下がり始め、Adobeのソフトウェアを誰でも自由に使えるようになった時期で。まさに時代がアナログからデジタルへと変わっていくのを肌で感じたこともあり、そうした転換期に自分の可能性みたいなものをのせていけるような仕事だったら、きっと楽しいだろうと思ったんです。で、デザイン事務所に就職して、以来、グラフィック全般を手掛けてきました。今村さんは、どうしてグラフィックを選んだの?

今村

私は子どものころから美術に関わるものが大好きで。だから、そのまま美大へと進学し、そこでいろいろなデザインをやらせてもらえる機会にも恵まれたんですけど、一番楽しかったのが、エディトリアルデザインだったんですよね。文字を活かしたデザイン。それで大学を卒業して印刷会社に就職し、その後、企業のセミナーや研修などを手掛ける会社に転職しました。インハウスデザイナーとして、その会社の会報誌やチラシ、DVDのパッケージなど、いろいろデザインできて楽しかったんですけど、とにかくハードワークで……。それもあって、glassyに転職しました。

佐藤

転職といえば、京谷さんは前職の会社でもインナー・ブランディングを担当していたんでしょう? どうしてglassyに転職したの?

京谷

前職はインナー・ブランディングを専門としている会社ではありませんでした。私自身はインナー・ブランディングの案件を長く担当していたのですが、クライアント企業を取り巻く様々なステークスホルダーに対するブランディングの中でも、インナー・ブランディングの重要性を強く感じました。だから、これからキャリアを重ねる中でインナー・ブランディングをとことん突き詰めていきたいと思ったのです。そんな時にglassyに出会いました。glassyはインナー・ブランディングに特化した企業だし、お客様と深い関係を構築しながら私自身も多くの新たな気付きを得られるのではないかと思って。

佐藤

実際、どうでした?

京谷

期待通りでしたね。glassyではインナー・ブランディングを軸に社内のスタッフ同士も同じ目線を持っているのを感じます。ディレクターはお客様の課題やニーズを把握し、デザイナーの皆さんにブリッジして、クリエイティブで課題解決につなげる。私たちが生んだアイデアや手掛けるクリエイティブでお客様の会社が前に進んだり、波に乗ったり、成長したりする力を持つお手伝いができる、そんな感覚です。ところで佐藤さんはどうしてglassyに?

佐藤

ひとつには今村さんも話していましたけど、労働環境が大きかったですね。当時の仕事に不満はなかったのですが、とにかく忙しくて時間がなかった。

今村

ご自身の仕事のクオリティーにも影響がありましたか?

佐藤

経験を積んでいくと、時間と質に大きな相関関係はないことがわかってくるのですが、アウトプットする量の部分には影響がありました。たとえば新規のお客様に対して何か提案させていただくにしても、バリエーションを増やす時間がないから、なかなかその先が広がっていかないというか。

今村

おっしゃること、今ならよくわかります。恥ずかしながら私、社会人になってはじめて理解したんですけど、私たちの仕事って「自分がどう思うか」ではなくて、「お客様がどう思うか」というのが、とても大事ですものね。

佐藤

そうだよね。いたずらに時間や労力をかけて過剰なものとする前に、まずはお客様が求めるものに近づけていくことが大事。そのためにはアウトプットのバリエーションを増やすことで、お客様が求めるものへと寄せていくプロセスが必要だし、僕自身はそのための手間は惜しみたくなかった。だから時間が欲しかったんです。

今村

私の場合は、やはりクオリティーにも影響がでてしまうことがあって……。体調が万全でないと、なかなか100%の力を発揮できませんから。その点でglassyはワーク・ライフ・バランスを大切にしている会社なので転職してよかったと思っていますし、もうひとつ、いいことがありました。

京谷

それは何ですか?

今村

自分のデザインの幅が広がったことです。前職は、同じ系統のデザインでずっとつくり続ける感じだったのですが、glassyはその幅が広い。たとえば社内報一つとっても、お客様が10社いれば10通りのデザインのバリエーションを必要とされるので、いろいろと創意工夫ができるのが楽しいんです。

佐藤

たしかに、そうだね。この会社は社内報を本当に数多く手掛けさせてもらっているけれども、だからこそお客様の違い、カラーというものもわかるしね。「この会社は歴史ある名門なのに、こんなにくだけた表現でもOKなんだ!」とか、「フレキシブルなイメージが強いベンチャー企業なのに、意外と硬派な表現をお求めなんだな」とか。そういうカラーの違いを意識しながら、それに合わせてデザインしていくから、結果的にその幅も広がっていくのかもしれないね。

今村

逆にディレクターさんたちは、そのあたりを取りまとめ、方向性をすり合わせていかなければならないから大変ですよね?

京谷

お客様と深い関係を構築できるまでは、たしかに苦労しますね。お客様のカラーを理解し、さらにはご担当者の好みも理解する必要がありますから。それとお客様企業が今後、どこに向かおうとされているのかも。力強く進んでいこうとされているのか、和気あいあいとやっていこうとされているのか。それによっても制作物のトーンマナーは変わっていきますからね。でも、それこそがディレクターの仕事だし、そうしたニーズやシーズといった一切合切を素早くキャッチアップし、いかに的確なボールをデザイナーさんやカメラマンさんなどに投げながらチームを躍動させ、よりよいアウトプットへと導いていけるか。それが私たちの腕の見せどころだと思っています。

佐藤

デザイナーチームは各自をストレッチさせるべく担当案件をシャッフルすることがありますが、ディレクターチームの案件の割り振りって、どうなっているんですか? そう言えば、ちゃんと聞いたことなかったな。

京谷

業種ごとに固定されているわけでもないので、タイミングとフィーリングですかね。マネージャーに「このお客様、私、担当したいです!」と手を挙げれば、それを担当させてもらえるチャンスがあるので、自分のキャリアプランに合わせていけると思います。

経験を重ねると、変なこだわりがなくなり自由になる。

今村

今、いろいろデザインしながら感じているのですが、やはり「わかりやすいもの」が求められていますよね?

京谷

背景には、「スピード感」「グローバル」「多様性」といったあたりが、今も変わらず時代のワードとして重視されているからでしょうね。それを満たしていくには、本質をシンプルに伝える「わかりやすさ」が求められる。

佐藤

そのせいか、変わらず紙媒体のニーズも高いですよね?

京谷

ITのスタートアップ企業さんなどは、自分たちでWebサイトを構築して情報発信されるのかなと思いきや、むしろ「紙で情報を伝えたいんです」とよくおっしゃいますしね。

佐藤

一般的に言われていることだけれども、Webは基本的に情報を取りにいくメディアなので、興味のないページにはアクセスしないんだよね。でも冊子だと手元に現物があるから、パラパラめくっている間に「特に興味を持っていなかった」情報にも触れてもらえる機会がある。デジタルネイティブ世代にもしっかり情報を届けようとすると、やはり紙なのかもしれないですね。

今村

その分、やりがいはありますよね。社内報はどうしても難しい話が載ることが多いので、若い世代になればなるほど、手に取って読むのを億劫に感じるでしょうから。それをデザインの力でいかに読ませるか。最近は雑誌のような社内報も増えていますし、仕事をしていても楽しいです。ただ、自分がどう思うかではなく、お客様がどう思うか、何を求めているかが大事なので、料理で例えるなら和食でも中華でもフレンチでもエスニックでも、なんでも作れるようにしておかないとダメだなって、改めて感じています。

佐藤

そうだね。ただ一方で、矛盾するような話だけれども、glassyとしてのカラーをもっと出していきたいとも思うよね。お客様のオーダーがあって作るものなので、本来であればうちの色が出る必要はないのだけれど、たとえば「この社内報いいね」「あの社内報もいいね」とまとめて見たときに、自然と「ああ、glassyらしいね」と言われるようなものを構築していくことも、これから取り組むべき課題だと思う。それが競合との差別化、マーケットにおけるうちの強みを磨いていくことにもつながるので。

京谷

そうなると、着手すべきはデザインと企画ですよね。デザインについては、チョイスする色や書体などが個々のデザイナーさんたちにも共有されるようになり、glassyらしさも見え始めていると思うので、そこをさらに磨いてもらうと。で、ディレクターとしては企画と、そして手段も磨いていきたいですね。いい企画とするには、お客様とより深い関係を結んでコアな情報に触れていくことが大事です。情報をアウトプットする手段については特定のメディアに固執せず、お客様にベストと思えるご提案をしていきたいと思っています。お客様が紙での情報発信をご希望された場合でも、ターゲットの属性や好みに立ち返って、SNSによる発信の方が有効そうであれば、お客様にご理解いただいたうえで、効果が見込める手段を追求すべきだし、これからはいろいろなツールを連動させながら、インナー・ブランディングを強化していくことが必要だと考えています。

佐藤

そうした部分って、キャリアを積むほどに面白いですよね? 僕自身も、先ほどお話ししたように「バリエーション」を意識して仕事をしてきたこともあって、気づけば自分の引き出しもだいぶ増え、今はそれをフル活用しながら仕事ができる楽しさを感じています。

京谷

本当にそうですね。私も前職ではメインのひとつに総合商社の社内報があったのですが、それこそ食糧から輸送機まで、何でも扱っていたお客様でしたから、自ずと幅広い業界を知ることができたんです。現在、多様な業種のお客様にひるまずに対応できるのも、これまでの知見が役立っていることは間違いないですし、経験を積めば積むほど、各業界のビジネス環境なりビジネスモデルなりを深く知ることができます。そうすると、このお客様は何を強みとし、どんな点にオリジナリティを見いだすべきかが見えてくるので、インナー・ブランディングとして何をなすべきか、どんな手段を使ってそれを実現させていくべきか、どんどんイメージが膨らむ。だから仕事も、ますます面白くなっていきますね。

今村

私もお二人のそういう部分を見習って、経験を積んでいきたいです。どんなボールでも100%打ち返せるようなデザイナーになりたいですし。やはり経験を重ねると、見える景色が広がっていくんですね。

京谷

「自分がどう思うかではなく、お客様がどう思うか」という目線が大切ですよね。実は私、若いころは「自分っぽいのって、こういうことだから、これ以外はやらない!」みたいな変なこだわりがあったのですが、経験や年齢を重ねることで、だんだんとその思いから解放されるようになりました。そうすると気分的に楽になって、ポジティブになっていくんですよ。今は、もう何でもできるようにしたいし、何でもやりたい、というスタンスになっているので、仕事もやりやすくなってきたって感じています。

佐藤

それに後進の指導をするということも、仕事の大きな糧となりますよね?

京谷

たしかに、そうですね。

佐藤

僕は立場上、今村さんたち若いスタッフのデザインを見る側にいるわけだけど、ちょっと違うお客様や媒体の仕事を若い人たちにお願いすると、これまでとはひと味違う新鮮なものが上がってきたりする。当然、キャリアも違うので助言もするのだけれど、若い人たちの発想や考え方に触れ、すごく刺激を受けます。だから指導といいながらも、実際には教えられていることの方が多く、仕事をしていても飽きることがない。これはチームワークの楽しさでもあると思っています。

今村

アーティストとデザイナーの違いを思わせるお話ですね。私は社会に出るまで両者を混同していたところがありましたが、自分の思いを発揮させたいだけならアーティストになるべきなんですよね。デザイナーは、人の思いや他者のいいところを汲み取ることが大事だと考えているので、佐藤さんの今のご指摘は心に染みるし、やっぱりデザイナーになってよかったなって思います。

佐藤

そう言ってもらえると、うれしいです。でも本当に、そうやってお互いを高め合える仲間でありたいですね。さっき言ったように、これから「glassyらしさ」をさらに磨いていくにしても、一人の力でできるようなことではないし、チームワークでやるからこそ楽しいのだと思います。そうやってglassyのデザイン偏差値を高めていきたい。

京谷

私は前職含めれば、インナー・ブランディングに携わるようになって10年以上経ちますので、個人で積み上げてきた知見、ノウハウを後進の方々と共有することで、glassyとしての力に変えていきたいと思っています。とくに近年は、働き方が多様になっていくに従い、組織のあり方も変わりつつあります。世の中はこうして絶えず変化しているからこそ、私はこれからも時代や社会に対する好奇心を忘れることなく、仕事を続けていきたいです。